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【クリムゾン・タイド】ネタバレ感想:冷戦スペクタクル傑作

米ソ冷戦映画「クリムゾン・タイド」は面白いのか?

観ていない人でも、あたかも観たような気分になるくらいスペクタクルにネタバレ解説します。

 

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「クリムゾン・タイド」あらすじ

 

冷戦後の国際情勢は、ロシアの反乱軍が核ミサイルを奪取し、米国と日本を攻撃するとの脅迫で再び緊迫。この事態に核兵器を搭載した米の原子力潜水艦アラバマが緊急出動した。艦長はたたき上げのラムジー大佐(ジーン・ハックマン)。副艦長は新任のエリート、ハンター少佐(デンゼル・ワシントン)。
目的海域に達したアラバマは本国からの指令受信中に魚雷の攻撃を受け、通信が途絶える。指令の確認を優先とする副艦長と即時攻撃を主張する艦長は激しく対立し、艦内は緊張が走る・・・。

 

「クリムゾン・タイド」ネタバレ

ミサイルを撃つか撃たぬかで対立する上官たち

 

時代は米ソ冷戦下

ロシア側の核攻撃脅迫により、原子力潜水艦「アラバマ」が出動します。
鬼上司であるジーン・ハックマン演じるラムジー大佐が艦長で、デンゼル・ワシントン演じる主人公のハンター少佐が副長。

ジーンはとにかく叩き上げの鬼上官で、愛犬を潜水艦に連れてきてオシッコさせたり、やりたい放題なんですよね。

で、デンゼルはそれが気に喰わない。
最初から水と油の性質を持った二人なんですけど、デンゼルは大人なのでやり過ごしています。

潜水艦では、「日本に原爆を落としたのは正解だったのか?」なんていう論議をしていたりして、けっこうきわどい感じではあります。

 

そうこうしているうちに、ソ連軍の潜水艦が接近して、攻撃を仕掛けたりして来る。
それをぎりぎりで交わす「アラバマ」。


無線では核攻撃の準備をしろ、という指令が届き、緊張状態に。

無線で指令を受信していたところで無線機が壊れて、途中から文書が読めなくなってしまったんですね。

デンゼルはそれを読んで、「核攻撃準備解除の指令だったらやばいから、待機した方がいい」と主張するも、ジーンは「そんなのは必要ないから、最初の指令通り核攻撃の準備を続行する」と言い始める。

 

真っ向で二人がぶつかっちゃうんですよね!!!

 

ジーンの言うように核攻撃なんか仕掛けたら、それこそその時点で戦争が始まっちゃうわけですよね。これはかなりやばいと考えたのはデンゼル。

で、ジーンはミサイルを発射しようとするんですよ。

ここで重要なのは、別にジーンは気が狂ってミサイルを打とうとしているわけではないんです。一応ジーンなりの文脈があって、戦争状態になるのであれば先手必勝だと考えている、とこういうことです。

やってることは野蛮に見えるけど、だからまあ絶対にジーンが悪いってわけでもなく、だからこそそのあとにジーンについてくる人が出て来るわけですよね。

 

ミサイルを発射するには、必ず副長の同意が必要なんですけど、ジーンは勝手にミサイルを撃とうとする。これはまずかった。

とうとうデンゼルがキレて、命令に背いたってことでジーンを拘束するわけですよ。

 

まあ、これが正当な手続きだったのかは、みてる側からはよく分からないので、「あ、そうなるんだー」といった感じ。

しかしながら、やっぱりジーンにはジーンの主張があって、それに共鳴してデンゼルを危険視する輩もいるわけです。

 

ジーン派とデンゼル派の武装争い

 

で、そういう輩が徒党を組んでジーンを助け出そうとする

元々、デンゼルには同僚に親友のウォルターズ伍長(ヴィゴ・モーテンセン)がいるんですけど、ジーン派は彼を引き入れないと相手を掌握できないんです。ミサイル発射に必要な鍵のナンバーを知ってるんですよね。

で、ジーン派はヴィゴを説得にかかる。

でもヴィゴはデンゼルの親友だから、そんなことにほだされるわけがないよ。

 

 

……と思ってたのも束の間、なぜかヴィゴは苦しそうな顔をしつつジーン派にあっさり寝返るわけです。

 

ん???

なんで?????

 

全然説得力のない説得であっさり?
これは多分、その方が脚本的に面白くなるからでしょう。

 

まあ、それはいいとして、そういうわけで拘束されていたジーンが助け出され、武装されたジーン派と共にデンゼル派を逆に拘束するんですよ。

で、結局ジーン派がミサイル発射の手順を踏み始めるんですね。

しかし、あと一歩のところでヴィゴが「やっぱデンゼルの方が正しいから鍵開けるのやめる」って言い始める。

このころにはジーンもちょっととち狂っちゃてて、ヴィゴを殺そうとするんだけど、ヴィゴ殺したら鍵のナンバーが分からなくなってミサイル発射ができないと気づいて、同僚を殺そうとし、無理やりカギを開けさせたりするわけです。

 

デンゼルは非常に用意周到でして、仲間にあらかじめ、潜水艦内のカギを渡しておいたわけです。

なのでデンゼルたちもすぐに救出されて、またデンゼル派が武装してジーンを止めにかかる。

 

そんな感じでやんややんややっているうちに無線機が直って指令を受信すると、「核攻撃準備解除」の命だった。

 

大喜びするデンゼル派。こんなにいたんだっていう人数ですけど。

気落ちするジーン派。

 

で、後日軍法会議にかけられた二人。

2人の判断はそれぞれが間違いではなかったとの結論。

 

ジーンは辞職し、デンゼルは艦長に任命されたのでした。

 

「クリムゾン・タイド」の感想は?

 

これはなかなか面白かったです。

とにかくほとんど全編が潜水艦の中での話なんですけど、その閉塞感がなかなかいいんですよね。すごく息苦しい感じが伝わってきます。

特に途中で被弾して浸水し、潜水艦が海底に落ちてゆく緊張感はすごく良かった。

 

しかし、ジーンの描き方に関しては、少し疑問が残ります。

もう少しジーンがどうしてあれほどミサイル発射したがったのかを強調しても良かったかな、とも思います。

 

そもそもジーン・ハックマンの役を鬼上官にしている設定からして、見ている側としては善と悪の戦いっていう先入観が出てしまうんですよね。
この映画はもちろん、ちゃんとジーンの主張の正当性も描かれてはいるので、そういう風には初めからならないようにはしてるんですけど。

でも、別にジーンをある程度の人格者にしても良かった気がするんですよね。
馬に例えた人種差別的発言の行とかは、ちょっと悪い感じが出過ぎていたよね。

 

だって、結果的にはジーンの主張もデンゼルの主張も間違いではなかったわけでしょ?

だとしたら、お互いに正論だと思っている大人の物語にしてももっとこのシステム上の欠陥やジレンマなどの精神性が描かれた気もします。

ただ、多分そういう作品よりもこっちの方が分かりやすく面白くなったのだろうなとも思いますけど。

 

後半で兵士たちが武装し始めるところとかは、冷戦アクションものとしては面白いけど、なんかちょっと私としては急に飛躍した感じがしたんですよね。

もちろん、当時こういうことってあったのかも知れません(この映画自体、キューバ危機の何かをモチーフにしているらしいし)。

 

面白さで言ったら、私もこういう映画の方がずっと面白いと思うので、これはこれで娯楽作としてはよかったとは思います。

あと、でもまあ最後に指令を受信してデンゼルの主張が通ったときに皆が大喜びする描写はいかにもハリウッド的でウザかったですね。

まあ、ジーン派にしても別に戦争を起こしたかったわけではないので、ミサイルの発射がないなら無いでうれしいのは当然だと思うんだけどもね……描き方がバカみたいなので。

 

「クリムゾン・タイド」の役者が素晴らしい

 

クリムゾン・タイドはとにかくデンゼル・ワシントンのかっこよさに尽きる

 

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NITARIはとにかく理知的な黒人男優に弱いんです。

ほんっっっとうにかっこよかったんですけど????

まじでうっとりです。

 

余談ですが、元祖「理知的な黒人男優」としては私はシドニー・ポワチエなんかも大好きです。ほんっとうにかっこいいですよね♡

 

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イケメンなんですよね、どちらにも言えることですけど。

「ムーンライト」を見たときに思ったんだけど、理知的っていうよりかはイケメンの黒人が好きみたいです。付き合いたいですなあー

 

で、もちろんこの映画はジーン・ハックマンも最高です。

米ソ冷戦もので鬼上官が出て来るというと、「ア・フュー・グッドメン」も思い浮かびます。

あの時のジャックの方が鬼度がはるかに高くて完全にやばかった。あの映画は思い返せばすべてがジャック・ニコルソンに尽きる感じだ。

 

 

 

「クリムゾン・タイド」ではジーン・ハックマンはジャックよりは善意を持った鬼って感じでよかったです。ジーンかっこいいですよね。

 

ロード・オブ・ザ・リングファンとしてはヴィゴ・モーテンセンが気になったんですけど、LotRより10年位前の作品なのにやけに老けてましたよね

アラゴルンは年齢が実は87歳とかなんですけど、だからなんですかね??

 

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クリムゾン・タイド | I LOVE JOHNNY'S! - 楽天ブログ

 

ホントこの人は振り回してくれたよなっていうお騒がせ男でした。

 

「クリムゾン・タイド」のオススメ度は?

 

 

この映画は米ソ冷戦エンターテインメント作品としてはかなり満足な出来栄えなのではないでしょうか?

「冷戦時代は、こんなことが行われてたんだろうなあ」という発想からできた作品としては、余り文句も出ない作品だとは思います。

ただ、社会的視点っていうのはこの作品にはあまり求められていないかな、という感じなので、あくまでも米ソ冷戦をモチーフにした娯楽作品として鑑賞することをオススメします。