映画みなくても死なないよ

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映画みなくても死なないよ。

映画と本と芸術と旅。好き勝手やってます。

【ウディ・アレンの6つの危ない物語】ネタバレ感想:知的過ぎてウザたのしい

Amazonプライムビデオで昨日配信されたばかりの「ウディ・アレンの6つの危ない物語」を早速観てみました!

 

リンクに飛びます。

ストーリー

1960年代の中流階級家庭。平和に暮らす作家とその妻の元にある日突然、侵入者がやってきて……

 

いかにもウディの知的な笑いと痛切な社会批判を内包した傑作だが……

そもそも、とにかく会話が面白い。

このドラマは、ベトナム戦争中の1960年代を舞台にしたホーム・コメディです。

「ホーム・コメディ」とか言ってるけど、かなりパンチのある社会風刺作。この時代の時代背景を知っている人なら、絶対に楽しめると思う。むしろ、楽しめない人はかなりひねくれた人か、知識だけあるのに全然ユーモアのセンスのない退屈な人だと思います。(まあ、ウディ作品はなんでもそうかと思います)

しかしながら、当時の時代背景を知らない人にとってみたら、もう、一切何も分からなくて、全っ然おもしろくないこと請け合いです。

まあ、その点については後に語ることにしましょう。

このドラマはとにかく会話が面白い。どの部分を取っても面白い会話で溢れています。中流階級の作家(ウディ)は保守的な人物として描かれているけど、何しろ面白いのは妻と作家サークル友達ですよ。

彼女らは逃亡犯の思想に感化されて、中国共産主義の思想(毛沢東)やチェ・ゲバラ、マルクスレーニン主義に傾倒してゆくわけですね。共産主義思想です。

一応調べてみますと、あの文化大革命が起こったのが1966年ということ。

www.huffingtonpost.jp

↑ちゃんと読んでないけど面白そうなサイトだなー(笑)

絶賛冷戦中のアメリカの中流階級の恵まれたおばあちゃんたちが、真っ赤な「毛沢東語録」をプラプラと手にはためかせている姿なんか、何とも皮肉ではないですか。

過去を描きながら、同時に現代も描いているのかも

3話目くらいまで観て私は、この作品は面白いけど、どうして60年代を扱ったのかなあとずっと疑問でした。今の時代でも十分に皮肉を言えることが多いのに、どうしてわざわざ1960年代にする必要があったのか、と。

1960年代は、やっぱり冷戦&ベトナム戦争のさなかだし、文化大革命があったり、面白い(というと非常に不謹慎ではありますが)題材が多かったからかな、と初めは思いました。

でもそれだったらかえって卑怯な感じがしたんだよね。そりゃ60年代を描いたら面白くなるだろうけどさあ!みたいなね。

そもそも当時からウディ自身もそういう作品を作ってきたんじゃないかと思うわけです。まあ、昔の作品はそれほどたくさん見ているわけではないんだけど……

でも、この作品は、要するに現代の「テロリズム」に対するメタファーでもあるのかもしれません。

この作品で描かれているテロリストのレニーはともかく、その思想に簡単にほだされてゆく婦人達や隣人の様子なんか、まさにバカそのもの。まあ一番バカすぎて爆笑だったのは読書会のご婦人たちですね。みんなで赤い本ひらひらさせて、ほんとウケる(笑)

テロリズムを徹底的にバカにしたものだと思います。

結局主人公の小説家もその場の空気に流されて犯罪に加担してゆくんですね。登場人物が集結する最終話は本当に混沌とした皮肉たっぷりで非常に愉快です。

そして結局テロリストは逃亡し、主人公たちは元の生活に戻ってゆきます。それだけの話、という作りが非常に良い。

頭いい人はいいよね、って感じのドラマでもある。

これはこのドラマに限ったことではないんですが、ウディの作品はたまに知性派過ぎてうんざりすることがある。

まあ、この作品もそういった一面は多分にありました。
これは、私がまだまだ彼を理解していないからかも知れないんですけどね。浅いのかも知れないんだけどね。

「馬鹿には分からないよね」って排他的な感じが、わりとしちゃうわけ。

私は今でこそ多少近現代史に興味があっていろいろ勉強したけど、30歳になるまでは全然興味がなくて、ようはただのバカだったんですよ。(まあ、今バカじゃないかと言われればどうか知らんけども)

つい最近までバカだった元バカが観ると、面白いけど何となくイラっとくるのも事実。だってこの作品は結局、学のある人しか見ないんだなあーと。

お金のある人しか買えないエルメス、知性のある人しか理解できないウディ映画、みたいな。

なんか今のアメリカで言われる「分断」と同じ現象を浮き彫りにする鏡なのではないか?とも思ったり……

まあ、その考え方がそもそも間違っているような気は、書きながらもしています。インテリウディはそんな浅はかな考えてこのような作品を作り続けているわけではないのかも知れません。

この辺の考え方についてはあまり自信がなく文章にしています
どうなんでしょう? ご意見あったらお待ちしてます。

NITARI的「ウディ・アレンの6つの危ない物語」総括

 

 

めちゃくちゃ面白いし最高の知的刺激になる。これが分からない人は、分かるようになってから出直せってそういうことだね