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【アナと雪の女王】ネタバレ感想:エルサかわいそ過ぎて泣ける

「アナと雪の女王」はとにかくエルサが最初から最後まで気の毒すぎて涙止まらんかったし、めちゃくちゃムカついた映画だった。しかし悪くはない。検証してみた。

 

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エルサ描いてみた。

 

「アナと雪の女王」あらすじ

 

王家の姉妹エルサとアナ。姉エルサは、自分の“禁断の力”を制御できずに王国を冬にしてしまう。凍りついた世界と姉を救うため、妹アナは山男のクリストフや“心温かい雪だるま”のオラフと共に、エルサの後を追って雪山へ向かう。

 

「アナと雪の女王」ネタバレ&感想、結末

孤独なエルサが力を解き放つまで

 

8歳の王女エルサは、雪や氷を生み出す魔法をもって生まれた女の子で、よく妹を喜ばす為に氷を作って遊んでいたんだけど、ある時失敗して氷の力を妹にぶつけてしまって、妹は死にかけてしまうんですね。

変な生きものたちのおかげで妹の命は助かるんだけど、アナはそれ以来、魔法の力を封印するために城に籠るようになります。アナの魔法の記憶は妹から消え去ってしまうんですね。

 

アナの魔法の事は両親しか知らなかったんだけど、その両親もあるとき海難事故で亡くなってしまい、城には妹と二人きりに。

 

エルサか成人する日、彼女が王女になるということで戴冠式がもよおされるわけです。

二人にとって外の世界と接するのは13年ぶり。

 

13年ですよ!!!

そんな長い間城に閉じ込められてて、エルサは状況が分かっているからいいようなものの、アナがあんなにすくすく育つとか意味わかんない!!!

でもまあ、すくすく育ったわけですねなぜか。

 

で、戴冠式の日、アナは隣国の王子ハンスと出会います。
なかなかいい感じの男で、男性経験皆無のアナは完全に参ってしまい、その日のうちにあっさり婚約しちゃうっていう、実に危なっかしい展開に。

エルサは「それはちょっと早いんじゃないの」と言いきかせようとします。

エルサも同じように城に閉じ込められて寂しく育った若者の割には、こちらはずいぶん常識的に育ったっていうわけです。

アナと言い争いになるエルサ。

そこでエルサはうっかり、氷の魔法を使ってしまうわけ。

 

公衆の面前で制御できなくなった力をどうすることもできずに、エルサは城を飛び出します。

で、雪の山に行って、「レリゴーレリゴー」歌いながら一瞬のうちにとてつもないレベルの氷の城を建設して「もう自分を解き放つ!」かなんかで一人で生きてゆくことにするんです。

 

氷の力を何とかしたいアナとクリストフの奮闘

 

しかし、エルサはその力のおかげで夏なのに王国に雪が降ってしまったことを知らないんですね。

で、アナはハンスに国を任せ、エルサの事を追って行きます
途中でクリストフっていうなんかいい感じの男と知り合って、トナカイのスヴェンと雪だるまのオラフとで氷の城を目指します。

オラフはかなりかわいいです。

で、ようやく城について、アナはエルサに、国が凍ってしまったことを告げると、エルサはすごい動揺して、そんで話の流れでアナに氷の魔法をかけてしまうんですね。

 

せっかくエルサは一人で生きていこうと思ったのに本当に残酷な話ですよね。

でもエルサとしては、氷の魔法を解く方法なんか分からないから、アナたちを追い返してしまうわけ。

で、アナは氷の魔法でどんどん体調が悪くなってしまって、アナが昔死にかけたときに見てもらった変な生きものたちがいるところに連れて行ってもらって(実はクリストフはその一族に育てられたわけ)、診断してもらうんですよ。

 

したら、「今回の魔法を解くには『真実の愛』が必要だ」とか言われるんですよね。

 

でたー!って感じですよね。真実の愛。

 

でまあ、クリストフは急いでアナをハンスのいる城に戻すことにしたわけ。

でも肝心のハンスはハンスで、氷の城に行って、エルサを捉えて城の牢獄に入れるんですよ。「国を元に戻してほしい」っていうわけですけど、エルサはそんな方法知らんしな。

 

エルサは「これはいよいよ自分の魔法が完全にやばいレベルに達してきた」と思って牢獄から逃げ出します。

 

でまあうすうす分かってきたと思うんだけど、ハンスってのが悪党なんですよね~

せっかく瀕死で帰ってきたアナに「真実の愛のキス」を求めると本性を出し始めてですね、「王になりたいから近づいただけだしwww」とか言って、閉じ込めてしまうんですよ。

よくいるタイプの困った男ですよね。

 

結局クリストフがアナの事を愛してたってわけなんですね。

 

それでクリストフはお城に戻ってゆく。
ハンスはエルサを殺したいので、反逆罪で殺そうとしているところをアナは発見して、自分の命をなげうって守ろうとするわけですね。

そしたら、アナは氷になってしまうわけですね。
ショックを受けたエルサは氷になったアナを抱きしめる。

その瞬間、アナの体が元に戻って、アナは助かるわけです。


真実の愛って別に異性じゃなくても良かった件!!!

 

でまあ、なんかよく知らんけどエルサは愛の力とかなんとかで、魔法の力もコントロールできるようになっちゃったんですよね。なんかよく知らんけど。

そんでアナはクリストフと結ばれて、なんか全体的にハッピーな感じでおしまい。

 

「アナと雪の女王」感想

とにかくひたすらにエルサがかわいそう

 

アナ雪って、エルサの例の曲があまりにも有名で私もあのシーンは見ていたんだけど、まさかエルサがあそこまで悲しすぎる人生を歩んでいたなんて全然想像もしてなかった私は見事に不意を突かれ、思いっきりエルサに感情移入しまくって前半ですでに号泣しておりました(爆)

あんな可哀想なキャラ初めて見た!!(´;ω;`)ウゥゥ

エルサは自分の魔法のせいで妹を殺してしまうから、本当の自分を隠して魔法の力を制御するように生きていますね。
だけど、その魔法の力はどんどん強くなってくる。

だから本当は妹の事を愛していて、愛しているからこそ距離を置いているのに、全然伝わらない。

この映画に込められた思いみたいのがよく分かります。

ディズニーやピクサーはとにかく普段、マイノリティって呼ばれる人たちの事を題材にして映画を作り続けてますよね。
エルサが町で感じている生きづらさって多分誰もが持っていると思う。
だから何もこの映画はエルサっていう特別な人が主人公じゃないんだなーと思った。

しかしながら、「ありのままで」っていう曲ですけど、マジで悲しいですね。

絶対に、自分ですら受け入れられない自分の特質を、誰もいない雪山で開放する曲で、あんな山奥でなら自分を解放して受け入れられる!というのがすごく悲しくて泣けた。

「少しも寒く無いわ」って言った後にばたん!!って氷の城のドアを閉めるのは、物語全体にちりばめられている、「門を開ける」=自由と解放、というメッセージからすると全然逆で、すごく前向きに歌ってるけど実は全然前向きな曲ではないんですよねー。

うーん、だから結構この曲は解釈が難しいですよね。

物語が進むと、この城に住むことでエルサは本当には解放されてないし幸せではないのだ、ということがよく分かる。

とにかくエルサは最初から最後まで全く悪くないのに悲しい定めを受けているんですね。

 

エルサの氷の魔法の扱いがちょっとよく分からない

 

ただ、この作品では自分が氷の魔法が、自分の愛によって溶かされてゆく、という展開でハッピーエンドとなりますよね。

 

これがちょっと分からなかったんですけど……?

なんで、自分の愛によって氷が溶けたんですか??
愛って素晴らしいってことですかね??

 

ということは、氷ってダメってことなんでしょうか?

 

最後にエルサは人々に愛によって春を呼ぶんですけど、それでも自分のパワーによって氷の花を咲かせたりして楽しんでましたよね。
それって、エルサは氷っていう自分の魔法も受け入れて、人々もそんなエルサの事を受け入れてくれたってこと?

 

私が一番わけわからなかったのは、この映画にとっての「氷」っていう存在なんですよ。

 

氷って恰もこの映画ではだめなこと、悲しいことみたいに描かれているし、恐ろしいもののようにも描かれていますよね?

もちろん、氷を商売にしているクリストフとかもいるし、もともと全否定はしないように制御してはいるんだけど、でも基本的には氷は悲しいし、一人でいるのは残念、みたいになっていると思うんです。

 

だから「ありのままで」のシーンが、本当は何も解放されていない作りになってると思うんですね(それはそれで狙いなのだと思うけども)。

 

私は、最後に人に受け入れられるとかそういうのは別にして、ただ単にあのシーンでエルサが一人で氷の城を作った能力はすごいと思うし、サイコーにいけてて美しいと思う。

それは、多分エルサの能力は人を生かすこともできれば殺すこともできる唯一無二の素晴らしい才能を持っているからだと思うんですよ。

でも、最後にエルサが自分の魔法を使って皆に見せたようなアトラクション的な、要するに牙を抜かれたような氷の造形なんて、全然すごくないしちっともきれいじゃないとおもう。

そんなんでいいのかエルサ!!と思った。

 

ほんとうの「ありのまま」ってそういうこと?

 

それって、結局は素晴らしく美しい才能でも、人間社会の中では制御しなければならない、っていうことなんですよね。

 

私はエルサには、氷で一瞬にして(歌とか歌いながら)すごい城を作る能力こそ素晴らしくて、それを彼女自身にこそ愛してほしかったですね。

 

そんな自分の特異な能力を捨ててでも、愛する人たちと生きてゆきたいのか、という葛藤のシーンがほしかったです。

ディズニーの描くヒューマニティというのが、とにかくみんなで仲良くっていうのがたまに押しつけがましくて息苦しいことがありますね。

結局、エルサは自分の素晴らしい能力を、人間界の枠の中で生きられる程度の取るに足らないレベルに落としてしまいましたし。

 

この映画の結末が、「もののけ姫」みたいにエルサは一人山の中で氷に囲まれて生きてゆく、それが幸せだ、と姉妹が二人とも笑顔で生きていけたら、それを観て救われる子供はやっぱり多いと思うんです。

 

だって結局死ぬまで理解されない性質を持つ子供もいるわけで、そういう子は誰に愛されなくても自分が自分を愛さなければいけないと思うから。

 

マイノリティを描くところまでは本当に秀逸だったけど、それが人々に受け入れられることこそが正しいというところまで織り込まれると、マイノリティとしては辛い。

「愛こそすべて」じゃないけど、とりあえず「愛」を理由にしておけば何とか押し切れるという、キリスト教的考え方はもう通用しないんじゃないでしょうか。

あと、あのアナと婚約した王子にしても描き方にしてもどうよ。

自分が王位を受け継ぐために姫と結婚したいと考えることがなんでそんなに悪いんだ。
そりゃああんなに悪い男だったらダメだけど、別に自分が王になりたいから政略的に姫に近づく人が全員あんな風に悪い人じゃないと思うぞ。

なんかキャラの作り方がコテコテでうんざりしました。

 

「アナと雪の女王」オススメ度は?

 

 

しかしまあ、全体的には結構面白かったし、エルサアナもめちゃくちゃかわいかったし、クリストフがすごく好きだった。かわいかった。

映像も凄くきれいで、氷のの世界はいいわーと思った。だからちょっと途中まではBlu-ray買おうかな、とまで思ってました。
それなのにしつこいようだけど、そんな美しい氷の世界を否定されたかのようなエンディングにはがっかりしましたけど。