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【真昼の悪魔】ネタバレ感想・成功している3つの点

田中麗奈主演の「真昼の悪魔」、昨日が最終話でした。

面白かったですねえー!

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真昼の悪魔|東海テレビ

田中麗奈は本当に魅力的な役者です。

「真昼の悪魔」が成功している3つの点

とにかく、田中麗奈演じる大河内葉子先生が魅力的

この作品は「罪悪感」を感じることのできない医師・大河内葉子が、罪悪感を感じるために数々の大罪に手をかけてゆくという話。

始めは、心に悪魔の宿る医師が理由もなく患者を大量に殺していく、という話に見えます。彼女の「無感情」の様子が本当に徹底していて面白かったですね。

「情け容赦なし」とはこのことで、さすが深夜ドラマだけあって子供に手をかけたり、子どもに悪の道を陥れたりと、かなり極悪なことをガンガン見せてゆきます。遠慮なしです。

ここまでしてくれたら気持ちいくらいの感じ。もう、「悪女」ではないですね。本当に何の感情もなくどんどん殺してゆくのは、こう言ったらなんですがすごく気持ちいい。

田中麗奈の素晴らしい演技のたまものだと思います。ここまでできる役者というのはなかなかいません。

田中麗奈というと2年くらい前のNHKドラマの「徒歩7分」に主演して、余りにも素晴らしい作品で衝撃を受けたのですが、それ以来もう本当に一目も二目も置いています。マジ面白い役者です。

観ていけば分かるドラマの本当のテーマ

このドラマのテーマは「悪魔とは何か」という話です。

最終的に、大河内先生は悪魔ではなかったな、というのが分かります。彼女は悪魔ではなくて、とにかく「罪悪感」という感情がないがために苦しみ続けている悲しい女性です。

どうすれば人並みに「罪悪感」を感じることができるのか分からないから悪いことをするわけです。別に悪いことをするのが本当に楽しくてやってるわけではない。

猟奇的殺人鬼ではありません。
親を殺したら罪悪感を感じるかな? 子供を殺したら罪悪感を感じるかな? と思って、あらゆる非道に手を染めてしまう。

そこが、このキャラクターの本当に面白いところだと思います。
だから、本人にとったら本当に苦しくて悲しいのだ、ということが、ドラマを通じて分かってきます。

最後に大河内は、自分の愛する子供を殺そうとし、その時に初めて「罪悪感」というものを感じて子供を殺すことができなくなる。
それまでは病院で、計算の上でしか人を殺してこなかった大河内が、最後に我が子への愛のため、我が子を命の危険にさらすかも知れない女をライフルで撃ち殺します。

そして数十年後には、一人で孤独に年老いてゆく、という贖罪の流れでドラマは終わります。

素晴らしいですね!

これはぜひとも原作を読んでみなければならないやつですね。

 

登場人物たちの心の動きも丁寧に描いている

主人公の難波さんをはじめ、かなり魅力的なキャラクターがそろっています。

難波さんは初めは青臭い作家志望だけど、だんだん逞しくなっていって最後には作家として成功する。中村蒼が純粋な感じでよかったです。

そして最も素晴らしいと私が思ったのが、大河内の魅力に魅せられてしまう大塚でした。大倉孝二が素晴らしいですよね。
彼は初めにいきなり手をぶっ刺されても全然諦めず、というかそれ以上にどんどん彼女にのめりこんでゆくドM野郎でしたけど、まさか最後の最後まで本当に彼女を愛し続けるとは思わなかったね。びっくりだ。

そしてその展開が不自然にもならない素晴らしい説得力のある演技でした。最高だった思います。

あとは何と言っても、伊武雅刀演じる神父でしょう。

彼が大河内に向かって、「あなたムカつきます」と言った時には、大河内じゃなくても大爆笑してしまいました。ほんと素晴らしいね。

この作品にはほかにもたくさんの魅力的なキャラクターがいました。

まあ、しかしながらびっくりするほど演技が下手な人が多かったです。「えっ???マジでやってるの?w」と思った茶番があったのも事実です。まあ、別にいいんですけど。

だけど最後に悪魔になってお友だちを殺してしまった子役の女の子はすごくよかったなー。

NITARI的「真昼の悪魔」総括

 

 

さすが深夜ドラマの利点を生かしたアグレッシブさで、全く飽きさせずに深いテーマを描き切った。一見の価値あり。