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【逃げるは恥だが役に立つ】ネタバレ感想他のドラマと決定的に違う

 【逃げるは恥だが役に立つ】が、なんかムズキュンして面白くて、星野源がかっこよくて新垣結衣がやたらかわいいだけの映画だと勘違いしている君はまずそこに正座してこの記事を読め。

 

 

「逃げるは恥だが役に立つ」ネタバレ感想

社会派ラブコメディという新ジャンル

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【公式】TBS「逃げるは恥だが役に立つ」 (@nigehaji_tbs) | Twitter

 

日本では基本的に、あんまり「社会派」というのもがウケません。
ウケるものもあるけど、そういったものは基本的に、池井戸潤原作の作品(半沢直樹シリーズ)とか、昔だったら山崎豊子の作品、松本清張作品だったりしますね。

要するに「企業付き」の社会派作品しか受け入れられないところがあるんです。
それって「社会派」っつーよりは「会社派」なんじゃないの??wとか思ったり。

別にそれはそれで面白かったりするんですけど、それだけじゃないはずなんですよ。日本にはいろんな格差が存在していて、そういったものを扱う作品は重くなりがちだし、もっとオブラートに包んだ形で社会派なものを作った方が、絶対にいろんな人に伝わると思う。

それが決定的に成功しているのが「逃げ恥」なんですね。

逃げ恥で描かれる「格差」は実は結構たくさんありますよね。
その最も大きなものは、もちろん「男女格差」です。すなわち、平匡さんとみくちりゃんのもつ「格差」です。

しかし描かれるのはそれだけではありません。

石田ゆり子演じる百合ちゃんも男女格差と戦い、年齢格差と戦っている女性です。
そして古田新太演じる沼田さんが持っている「LGBT格差」これも日本ではようやく少し問題視されるようになってきたものです。

そういうそれぞれの「格差」について真っ向から勝負しながら、しかしこれほど普通のド王道ラブコメディの皮をかぶれる作品がこれまであったでしょうか。

 

「社会派」作品は実は映画よりもTVドラマに多い

日本のTVドラマでたまに驚くことがあるのが、その作品のもつ社会的意識の高さです。

基本的に日本のテレビ界はクズだと思っていますが、それでも一体、どういうわけでこのクズ大国日本からこれだけ意識の高い作品が生まれたのだろう?というものが出てきたりします。

「このドラマを作らせたモチベーションは儲け主義ではなくて、純粋な問題意識からだな」と思うものが少なくありません。

さっき言ったように、池井戸潤の作品とかは視聴率取れますけどね……内容は面白いことが多いけど、会社のあり方が封建的過ぎてかなり観ててむかつきます。最近は山崎豊子の作品でも同じように感じることもある。

もちろん日本の視聴率主義は変わっていないので、それでも売れるための仕掛けは絶対に必要で、そのため結果的には作品としての完成度が低くなるものもあります。

「目の付け所はよかったのになあー」となるわけです。

それでも、たまにそういうすごい作品があるから、私は日本のドラマは捨てたもんじゃないなと思うわけです。

(嫌いというわけではないけど、韓国ドラマは逆にこの視点が皆無のように見えてげんなりすることが多いです。まあ、その薄っぺらさが楽しくて観ちゃったりもするのだけど 笑)

しかしながらですね、「逃げ恥」ほど全てのバランスが整った完ぺきな作品はないと言えるでしょう。

 

秀逸すぎる「逃げ恥」の圧倒的な魅力

単純なストーリ展開と主人公たちのかわいらしさ

まずは、ここでしょう。

今までよっぽど「社会派社会派」と言い続けてみましたけど、とにかく「面白くてかわいい」というのが最も重要な点であることは間違いありません。

とにかく、この作品は面白い。面白すぎる。

何が? 内容が面白いんです。筋がとにかく面白すぎるわけですよ。これは本当に重要です。これだけ面白かったら、別に社会派なテーマなんかなくたって100点にしたいくらいです。

もう、本当に登場人物たちが、下の下の方まで徹底的に魅力的ですよね。

成田凌君の同期の女の子(バイリンガルだった子)なんか、演技が下手でただのおまけキャラかと思ったのに、後半になってくると彼女まで魅力的なんです。「こんなところまでキャラ立てて来るのかよwww」と正直ビビりました。
成田凌君の魅力は言わずもがなです。

まあしかしとにかく信じがたくかわいらしい、みくりちゃん。
面白すぎるしだんだん素敵に見えて来る、平匡さん

この二人の恋の行方がとにかく気になって、いてもたってもいられないとはこのことでした。

 

最も重要なテーマは、本当の意味での「女性の自立」

この作品が描こうとする「女性像」のリベラルさは尋常ではありません。

これまで、日本で描かれる「女性の自由」というのは、一見リベラルな皮をかぶっただけの差別的なものがほとんどだったのが事実です。

日本には、海外に比べて女性自身にも「オンナノコ」の意識がかなりあります

未だに寿退社を夢見ていたり、会社でもどこかオンナノコとして扱われることを意識している人があまりにも多すぎる。とにかく男性に依存している人が多いんですよ。

「東京タラレバ娘」とかほんとムカつくにもほどがある馬鹿さだったわ。

それは既に結婚している方にも言えると思います。夫に依存して生きている人がとにかく多い。経済的依存ではなくて精神的依存です。

日本は本当に反吐が出るほど封建的なんだけど、その封建思想に大いに加担しているのが、実は女性の方だったりします。

別に人の勝手じゃんって言われそうだけど、もう少しオマエらがちゃんとしてたら日本全体がもっと風通しも良くなるし、少子化も減るんだよバーカ、と言いたい。そもそも日本人は選挙にすらいかない人多いですからね……そんな人が少子化がどうこの先やばいかなんか全然分からないんでしょう。

意識の問題一つです。

例えば専業主婦の方を私は否定しません。「夫に依存して生きている女」を否定しているだけで、専業主婦でも夫に依存していない人は絶対にいます。

「依存」って、経済の事だけじゃないですよ?

上にも書きましたが、経済的には夫に依存しているが、精神的に自立しているのならば全然いいと思うんです。

 

それを描いているのが「逃げ恥」です。

逃げ恥は、専業主婦のあり方や、女性の働き方について真っ向から向き合います。

特に圧倒的だと思ったのは、第10話に出てきた「搾取」という言葉。人は、好意の搾取を行ってしまうことが多いですよね。

このドラマでは、平匡さんがいよいよみくりにプロポーズして、そうすれば合理的に出費を抑えられるとみくりに伝えます。で、みくりはそれに対して「好きの搾取です」というんです。本当にその通りだと思いました。

これほど衝撃を受けた作品をこれまで観たことがなかったです。

ちなみに、このみくりの言動に対して批判的な意見も多かったようですね。特に男性と、年配の女性に多かったとか。

ホントそういうババアはこのドラマ観ても無駄だからすぐにでもやめて、夫のそばではいつくばってればいいじゃん。

そういう男はほんとくだらないから、今すぐ私の目の前から去ってくれればいいじゃん(別に私の目の前に出てきてるつもりはないと思うけど 笑)

とにかく、逃げ恥はこれまで女性が抱いていた「もやもや」を払拭させてくれる破壊力があったわけです。

 

「逃げ恥」の唯一の欠点があるとすれば

このドラマは殆ど完ぺきな作品ではあるんですけど、唯一不満が多少あるとすれば、終わり方ですかね……

それも微々たるもんなんだけど、最後結局このドラマでは、何も結論はなくて、それぞれの思うように自由に生きていけばいいんだよ、という風に終わりました。

まあ、それはメッセージとしてはそうなのかも知れないけど、それでは何も言っていないことと同じでは?と思いました。

要するに「ちょっとずるい」ですね。「こうだ!」と結論を出さなければ反論も生まれないので。

すごく悪かったわけではないですが、みくりちゃんが最終的にお風呂に入って悩んでいたこととか、そういうのって結局解決されてないんですよね。平匡さんが理解してくれた風ですけど、結局はそんな簡単に理解されるものではないと思うんです。

なんでわかるかというと、私は本当にみくりちゃんに性格が似てるんです。「こざかしい」って言葉が出てきたけど、本当に私にもそういうところがあって、大変な苦労を今もまだしているところです。

そんな私から言えば、ちょっと理解しようとしたところで、夫が理解してくれてよかったな、という風には思えないと思います。もっと、重いんです。

だけど、そういうことも含めてこのドラマでは、「トラブルもあるかも知れないけど前向きにやって行こう」というわけです。

まあ、愛し合ってれば何とかなるよ、という描き終わり方だと、ちょっともったいないというか、もう少しはっきりした提示がこの場合あってもいいのかな、と思いました。

どんな作品でも「余白」って大切だと思うんですね。説明しすぎてしまう作品は私は嫌いです。

でも、「逃げ恥」の場合はもう少し描いても良かったかな、と思うんです。

 

とはいえ、総じて徹底的に面白い作品であります

まあ、そんなことは本当に微々たることです。

余りにもこのドラマが面白い中の、ほんのちょっとのことですよ。このエンディングでがっかりしたということもありません。問題はないです。

とにかくこれほど面白い作品をリアルタイムで観れたのはよかったと思います。

ちなみに、私も本当にこのドラマで星野源にハマりまくってしまいました。
そして、星野作品のDVDを大量に借り込み、めっちゃ観ましたよ恥ずかしいくらいに。

なので、そこらの気に入った作品のレビューもこの後すぐに書きますね

※書きました!

 

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「逃げるは恥だが役に立つ」オススメ度

 

 

まさに神ドラマ。

とりあえず見るべし。 

 

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