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【茂木健一郎:最強英語脳を作る】感想とオススメ度

茂木健一郎さんがTOEICをdisりまくっているということで、では、茂木さんのいう「英語」とは一体何なのか? 
彼の著書を読んでみました。

 

 
※NITARIの解釈で書いています。読み誤りがあったらご指摘ください。

茂木流「英語脳」の作り方

1、「正しい英語の概念」というものの曖昧さ 


茂木健一郎氏は、「正しい英語など曖昧なものだ」と言うようなことを言っています。

TEDというトークショーがあります。
私も最近知ったばかりなんですが、ずいぶん昔からあったみたいです。

世界各国のいろいろな方々がいろんな場所でスピーチをするショーです。
日本では、NHKで毎週放送されています。
番組名は、「スーパープレゼンテーション」というものです。

NHKリンク「スーパープレゼンテーション」※外部リンク

字幕版と吹き替え版がありますが、英語の勉強にはもちろん字幕版がおすすめです。

茂木氏は日本で行われてTEDのイベントにスピーカーとして出演しています。
その様子がYou tubeに残っていました。




茂木さんはよく「訛りがひどい」とか、「文法的に間違っている」と言われるそうです。

でも、茂木さんは自分の英語が海外の友人に通じなかったことはないということです。
そもそも、言語というのは変わりゆくものです。

「正しい日本語」という概念も近年よく議論されていますが、曖昧なもののように、英語だって曖昧です。

茂木さんは、「正しさに対して潔癖である姿勢が英語脳を作るのを妨げている」と言います。


2、マインド・セットという考え方 


茂木さんはこの本で、「マインド・セット」という考え方を繰り返し提唱します。

で、ええと、この「マインド・セット」という思考方法ですが、この本を読み解くのに非常に重要なキーワードなんですが、このワード自体そもそも、ある程度「マインドセット」された脳がないと理解するのは意外と骨だな……と思いました。

私は、ちょっと苦労しました。

私の解釈で言えば、例えば「英語のマインド・セット」を理解するというのは、「脳を丸ごと英語圏文化式に切り替える」というようなことだと思っています。

それが、この本のタイトルにもあるように「英語脳」ということなんだと思います。

性格には、後に茂木さんは英語は「文化ですらなく、文明である」と言っているので、「英語圏文化」っていうのも違うのかもしれません。非常に微妙なニュアンスです。


少し話は外れますが、こういう「英語ならではの言い方」っていろいろあって、英語が詳しくないと(茂木さん流に言えば「マインド・セット」されていないと)理解しづらい言葉ってあります。

例えば、最近現れた「Post-truth」という言葉ですが、これも「マインド・セット」されていないと理解しづらいのかな……と思います。
まあ何となくは分かりますけどね。
(あるいは私の理解力がないのかしら)


「マインド・セット」ものすごく面白い考え方だな、と思います。

3、人工知能と英語脳


第4章で茂木さんは、英語学習を人工知能と絡めて話を進めています。

人工知能の事を専門的に書いてある本ではないんですが、要するに人工知能というのは大量のモデルをインプットしまくって作られてゆく、ということみたいです。
囲碁で言えば、あらゆる「手」をインプットしまくる、というような。

人間も結局は同じように、大量に「良い英語」をインプットすることが重要ということです。

まあ、ここでどうして茂木さんが人工知能の話をしたのかは、ちょっと謎です。
人工知能の学習方法が大量のtry & errorだから、人間も同じようにやればいい、というのは分かりますが。。

ここでも全然関係のない話をしますが、NHKの「ニッポンのジレンマ」という番組の最新回で、批評家:大澤聡氏とAI研究者の石山洸氏がAIが社会に与えてゆくだろう影響みたいなことについて議論していて、最終的に石山氏が大澤氏の事を「あなたが人工知能を持っているようだ。何かのキーワードをインプットすると、それに対してのデータが山のように帰ってくる」と言っていて、ものすごく面白かったです。

茂木さんにも同じことが言えるのかなと思います。
そもそも人間が人工知能を開発したんだから、人間だって人工知能と同じように学習し続けることはできるはずだというのです。

「それは茂木さんが人工知能みたいな脳を持ってるからじゃん!」と思います(笑)

ただ、だから我々一般人がこの方法を取れないか、というと全然別で、それはできると思うし、思わなきゃいけないことだよね。

この本のレビューを読んでいると、「そもそも英語がある程度できる人向けだ」なんて言っている人がいるけど、まあ、そういう人はまず日本語もちゃんとできてないようなので出直した方がいい

何かをやろうという人によく、「これは才能があったからできることだよ」「○○さんはセンスがあるからできたんだ。自分には無理」という言い方をして、結局負け犬でい続けるタイプの人間がいるけど、私はそういうのは大嫌いです。

ただ、この本の流れとして人工知能の話をするのに少し違和感を覚えたというだけの事です。


茂木健一郎【最強英語脳を作る】オススメ度は


TOEICの勉強方法って、結局そう考えてみると「いかに効率よくビジネスで使える英語を身に着けることができるか」っていうことになると思う。
茂木さんが否定しているのはその部分なのかもしれない。

英語っていうのは、世界共通の言語というよりは文化なんだ、ということですよね。

で、その文化(茂木さんは「文明」と言っている)の中に、いかに自分を組み込むことができるのか、というのが重要だと言っているのだと思います。

私もそれはよく分かります。

で、勉強方法としては、結局今の私にできることは、とにかく読むことだけだと思うわけね。
茂木さんも、100冊原書で読め!と言っているし。

この本を読めば、英語が効率よく学べる、というものではありません。
あくまでも、英語という文化・文明を根本から理解しよう、という本です。

そういった意味では非常に素晴らしい本だと思います。

オススメです。