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【ヘイトフル・エイト】ネタバレ感想・タランティーノオタクから観ても全然ダメ。

はっきりと宣言しますが、私はクエンティン・タランティーノ監督が大好きです。

どのくらい好きかというと、「ジャンゴ」までの全作品を、30回以上鑑賞しているくらいキチガイじみて好きです。

ホント彼の映画で人生変わったっていうくらいです。

そんな自称タランティーノ・フリークのNITARIが最新作「ヘイトフル・エイト」を語ろうと思います!

全然おもんなくて、ぐっすり眠った前半

ミニーの紳士服飾店までは、お昼寝タイムだった。

この映画は初めの45分間がほんっとにつまらないです。

私は、気持ちよくぐっすりと眠ってしまいました。そんな事って大問題としか言えないですよねー。

ただ、もっともっとやばい問題なのは、それでも別に話が通ってしまったところです。

タランティーノ映画を観続けて長いですからね、これ別に聞かなくても大丈夫だな、というのは本能的にわかっちゃったんだよね。だから寝ちゃった。

タランティーノ映画の真骨頂は「無駄話」にありますから、ここまでの会話は多分そーいった部類に分けられるんだろうけど、それにしてもつまらない。どうしようもなく興味がわかない。

他のタラ映画の「無駄話」とはキレが全然違う。他の映画だったらほんとに無駄話だけど眠くならないもん。「パルプ・フィクション」はもちろんのこと、「デス・プルーフ」だって最初50分くらい無駄話だけど、何十回も見たしね。

「ミニーの紳士服飾店」のセット丸出し感にイラる。

タランティーノ映画っていのは基本的にファンタジーなんですけど、そのファンタジーをこちらに信じさせてくれるのが絶妙なリアリティなんですよね。

例えば、「キル・ビル」ですごいな、と思ったのは、アニメのシーンですね。タランティーノは「キル・ビル」全体で「トンデモ日本像」を発揮してましたよね。飛行機の座席に刀ホルダーがあったりね。「こんな日本あり得ないしwwww」みたいなね。だけど本当はタランティーノは「こんなのは日本じゃない」ことは分かり切っていて、そのうえでのファンタジーだったわけですね。

そこで分かりやすいのがオーレン・石井の幼い頃を描いたアニメシーン

あのアニメでオーレンの寝室ですけど、和室じゃなくて洋室なんですよ。それって本当に日本を理解してるなーって感じがするよね。何となく和風なインテリアなんだけどベッドだし(下に子供を隠すためかもしれないけど)、かなりリアルなんですよね。

さすがヤクザ映画に通じているタランティーノならではの、リアリティのある選択だったと思います。

以上に限らず、タランティーノ映画はあくまでファンタジーでありながら、徹底した細部描写でリアリティを持たせてくれることが常なのです。

にもかかわらず、この「ヘイトフル・エイト」のセットは一体何だったのでしょうか

密室劇なのはわかるけど、余りにも劇場感が出過ぎてるよ!!照明も含めて作りこまれ過ぎてて隙が無いし、全然質感を感じなかったよ。

がっかりだ。

人が死に過ぎて全然びっくりしない

上にも書いたように、タランティーノの映画っていうのはとにかく「質感」が重要。
なんかちょっとリアルなんですよね。気持ち悪いっていうか。生々しいっていうか。

もちろん、「キル・ビル」の青葉屋のクレイジー88みたいに、ファンタジー要素として作りこむ場合もあるけど(それはそれとして素晴らしい)、基本的には死を描くことでなんかちょっと重い空気を呼ぶのが普通です。

「パルプ・フィクション」のビンセントの死みたいにね。

それがこの映画では、まあ唐突にいろんな人々が死ぬのですが、全然重みがないですよね。したがって、全然びっくりしない。

グロテスクにしているつもりなのかも知れないけど、いちいち血が流れ過ぎて作りものっぽい。それも、クレイジー88系の狙いがあるならいいんだけど、どっちかっていうと死に対する重圧を描くべきシーンですよねぇ。

店にいた4人の女性の死に方なんて、ほんとに何とも思えな過ぎて逆にいら立った。

特に、「デス・プルーフ」で天才的な魅力を発揮していたゾーイ・ベルの扱い方にほんとムカついたわ。あんなん、誰でもいいじゃん。本当に勘弁してほしいわ。

この映画にも、良い部分はある

タランティーノがあまりにも好きすぎてこのようにフルボッコしてしまうNITARIですけど、普通の映画に比べたら全然面白いんですけどね。

まあ、この映画の魅力というか「ここはよかったな」というところは、タランティーノが「レザボア・ドックス」以来の密室会話劇に挑んだ、というところでしょう。

私は前作の「ジャンゴ」が本当に全然面白くなくて、「どういうことなんだ」と思ってたんですね。もちろん、見たらすぐにタランティーノの映画だってわかる作りにはなってるんだけど、とにかくひたすら普通だった。

その点、この映画では成功しているかは別としても、一応新たな試みがあったわけだし、途中からは何となく面白くなっては来た。ミステリー仕立てのなのも初めてでしたしね。

まあ、そんなに面白かったわけではないにしても、別にそんなにつまらなかったわけでもないし、今までと違う手法を使ってきたということはこれからにも少しは期待できるかな、というところです。

役者も別にって感じだったけど、ジェニファー・ジェーソン・リーだけはよかったです。

あと、全体の話の筋よりも、ウォーレンが将軍を追い詰めて早撃ちで殺すシーンがエグくて結構よかった気がします。殆ど完全に話の筋と関係ないのも、唯一タランティーノ的魅力としてはよかった気がします。

NITARI的「ヘイトフル・エイト」総括

 

 

全体的にあんま面白くないけど、見たいなら好きに見ればって感じ。